コミュニケーションにおける共感と同感

こんにちは。コーチングオフィスMISSIONの浅川孔明です。
今日は、「共感」について書いていきたいと思います。
昨今、コミュニケーションにおいて「共感」が大事ということは、よく伝えられています。
みなさんもよくご存じのことと思います。
では、「共感」と「同感」はどう違うのでしょう。みなさん説明できますでしょうか?
改めて聞かれると、言語化まで落とし込んで説明できる人は少ないのではないでしょうか。
この違いを頭の中に持っておくと、共感の質が全然違うものになってきます。
今日は、ぜひ共感について、一緒に理解を深めていきましょう。
目次
共感と同感の違い
コミュニケーションにおいて、共感がとても大事ということは、みなさんもよくご存知のことだと思います。
一般的に辞書で「共感」と調べると、
「他人の考え・主張に、全くそうだと感じること。その気持ち。同感」
などとあります。
一方、私が学んだコーチングは、「嫌われる勇気」で一躍脚光を浴びるようになったアドラー心理学がベースにあるコーチングでした。
そのアドラー的に「共感」というと、「相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じることだ」というように表現をされています。
正確に言うと、これは「共感的理解」といいます。
どうでしょうか。これだけ聞くと、相手の立場に立って、見て、聞いて、感じたら、相手と「同じ」に「感じる」=「同感」ともいえるんじゃないのか?となりますよね。
でも、コミュニケーションには「同感」が大事、とは聞きません。
「共感」が大事、なんです。
では、その違いは何かというと、、、
ポイントは「自分の考え、価値観」にあります。
どういうことか、詳しく説明していきましょう。
共感における「自分の考え、価値観」
共感で大切なこととして、
「相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じる」ときの前置きとして、
「いったん自分の考えや価値観を脇に置いて」が入ります。
つまり、
いったん自分の考えや価値観を脇に置いて、
相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じてみましょう。
となります。
この、「自分の考えや価値観をいったん脇に置く」というのが「同感」との違いになってきます。
これは、英語で考えてみるとより分かりやすいと思います。
「共感」は英語では、「empathy」です。
一方、
「同感」は英語では、「agree」です。
この「agree」は、「賛成する」とか「一致する」という意味が他にあります。
つまり、同感は、「自分の考えや意見が同じ」というニュアンスが含まれます。
「自分の考えや価値観」を脇に置いてはいません。
ここが「共感」と「同感」の大きな違いになります。
ですので、共感においての大事なスタンスは、
「なるほど。(私の感じ方は置いておいて)あなたはそう感じるのね。」
「なるほど。(私の考えは置いておいて)あなたはそう考えるのね。」
という感じになります。
ちなみに、私の学んだコーチングでは、共感的理解をよりイメージしやすいように、「相手と同時体験をする」というキーワードを使って説明していました。
ということは、
自分の考えや価値観が一致しなくても、どんな相手にも共感はできる、ということになります。
ここの違いを明確に自分の中に意識して持ち、相手と関わってみて欲しいと思います。
それだけで、「あの人、共感できないわ~」ということが、ぐっと減るかもしれません。
それでも共感できないというときには、「自分の考えや価値観を脇に置く」ことができない自分の方に意識を向けてみるといいと思います。
「どうしていったん脇に置けないのか?」
「どうしたらいったん考えを保留して話を聞けるだろう?」
という風に意識を向けて普段の生活の中から練習してみることをオススメします。
いかがでしたか?
みなさんのなかで気になった部分はありましたか?
何か一つでも自分の人生のヒントに持ち帰ってもらえたら嬉しいです。
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