ブログ

HOME//ブログ//不適切な行動 4つの目標

アドラー心理学

不適切な行動 4つの目標



 

こんにちは。コーチングオフィスMISSIONの浅川孔明です。

もう夏のような陽気でまだ暑さに身体が慣れませんね。

さて、今日は、アドラー心理学を体系化することに尽力した、ルドルフ・ドライカースという人が提唱した、

「不適切な行動の4つの目標」というものについて書いてみたいと思います。

これは、子どもの不適切な行動には段階がある、というまとめなのですが、子どもだけに限った話ではありません。知っておいて参考になることも多いかと思います。一緒に整理していきましょう。

目次

不適切な行動の4つの目標とは

一般的に言われるような「子どもの困った行動」や「子どもの問題行動」は、
ここでは「不適切な行動」と表現していきます。

では、その不適切な行動の「4つの目標」とはいったい何なのでしょうか。
ご紹介していきます。


【不適切な行動の4つの目標】

<目標1:注目を集める>

自分に関心を向けるために直接行動に出る

例えば、親にかまって欲しい子どもは、他の子どもに話しかけるのをやめさせようとする、そばにいてほしい、遊んでほしい、などの要求をする 


<目標2:力を示す>

目標1がうまくいかないとわかると、力ずくで注目を集めようとする

例えば、子どもがかんしゃくを起こしたり、食事を拒んだり、などを行う 


<目標3:復讐>

目標2がうまくいかないとわかると、問題行動で反抗や復讐しようとする

例えば、相手に悪口を言う、物を投げる、非行に走るなど


<目標4:回避>

最後には、あきらめて努力をしなくなる

例えば、自分は無能である、欠陥がある、と大人に見せつけて、人生の課題から逃げようとする


これが、ドライカースの提唱した「不適切な行動の4つの目標」です。
どうしてこういうことが起こっていくかというと、
「適切な行動をしたのに、注目してもらえない、認めてもらえない」
が積もり積もっていくと次第に、なんとか別の方法で注目を集めようとしはじめる。
それが、「不適切な行動」である、ということです。

有名なマザーテレサの言葉に、「愛情の反対は無関心だ」という言葉がありますが、
まさにこのことを表しているいるといえます。

人は、ほめられる、といった「正の注目」を得られないとわかると、叱られる、という「負の注目」でも集めようとします。
それだけ人は「無関心」が怖いということです。


「不適切な行動4つの目標」は、子どもだけ?

では、この「不適切な行動の4つの目標」は、果たして子どもだけの特有なものでしょうか?

この話はなにも、子どもだけに限ったことではないと言えます。

大人同士でも、友人、知人、上司、部下、親子、夫婦、さまざまな関係性において繰り返されていると思います。


注目してもらいたいのは、「目標」であるということです。
今回の、「不適切な行動の4つの目標」は英語では、「Four Goals of Misbehavior」となっています。
「Goal」、は、目的、ではなく、「目標」ということです。
つまり「目的」は別にある、ということに気が付いてほしいと思います。

「目標」と「目的」の違いは、

目的=purpose
「何のため?」に対する答えのこと。
行動する理由。

目標=goal 
「それをどこに向かって?」に対する答えのこと。
どのくらいまで、到達点、を表す。しるべ(標)。

です。
これを意識したうえで、目に見えている「不適切な行動」に対処するのではなく、
子どもや妻や夫や上司や部下が、なにを「目的」としてその不適切行動をとっているのかを観ていけば、「相手が本当に欲しがっているもの」に気が付き、「自分の行動を変えてみること」で違った結末にたどり着けるのではないかと思います。


ただし、段階が進んでいればいるほど、当事者同士では解決が困難になっていきます。

一概に、「あなたは今、この段階」と単純に言えるものばかりではなく、複合的に起こっているような状況の場合もありますが、
目標1の前や、目標1、目標2のあたりで、「何かおかしいぞ?」と、気が付いて、立ち止まって、自らの振る舞いや行動を再選択できるようになってもらえたらと思います。


いかがでしたか?
みなさんのなかで気になった部分はありましたか?
何か一つでも自分の人生のヒントに持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧