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メンタルモデルについて



 

こんにちは。コーチングオフィスMISSIONの浅川孔明です。

今日は、「メンタルモデル」というものについてご紹介してみたいと思います。

今回紹介する「メンタルモデル」は、広義なメンタルモデルではなく、「人間の根幹にある無自覚な信念」という、かなり狭い意味での「メンタルモデル」となります。

これは、由佐美加子さんが提唱しているモデルで、このメンタルモデルには「4つのタイプ」があります。

大変興味深い内容ですので、皆さんも参考になるかと思います。

ぜひ一読してみてください。

 

目次

メンタルモデルとは

一般的な「メンタルモデル」の意味は、
認知心理学的に、「起こった出来事を、起こした当事者は、構造や環境に対してどのような価値観、想いをもっていたか」というもので、もう少し簡単に言うと、
「人間はそれぞれの思い込み(認知)で世界を見ている」というお話です。

今回紹介する「メンタルモデル」は、それよりももっと狭い意味で、
「人間の根幹にある無自覚な信念」というものになります。
由佐さんは、この無自覚な信念について、大きく「4つのタイプ」に分けています。

4つのタイプといっても、どれか1つだけに当てはまる、ということではなく、
どの要素もある中で、他の要素よりも、より強く出ているのがどれか、ということは注意が必要です。


ではその4つのモデルは何かということですが、
4つのメンタルモデルとは、、、
1.価値なしモデル
2.愛なしモデル
3.ひとりぼっちモデル
4.欠陥・欠損モデル

となります。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

メンタルモデルの存在理由

まずは、そもそもなぜメンタルモデルが存在しているのか、ということについてですが、

人間には、行動を突き動かしている「無意識の自動化されたシステム」があります。
これは、この社会に適合して生きていくための基本操作システム、パソコンのオペレーションシステムみたいなものです。

メンタルモデルの目的は、人間が生きていく上で、「極力痛みを感じないように、痛みを避けて生きること」、痛みの回避、にあります。
脳ではこのシステムが自動的に無意識のうちに作動してくれています。

このシステムが作動していることに無自覚なうちは、ずっと同じ行動、同じパターンを繰り返し続けてしまいます。
このパターンから抜け出るには、各自の自動システムに意識的になる、自覚する、ことが重要になっています。

 

「価値なし」モデル

価値なしモデルの方がこびりついて持っている根幹にある無自覚な信念は、

「わたしは価値がない」

です。これを持っているので、繰り返される不本意な現実や痛みとしては、

こんなにやっても、やっぱり自分には価値がない
何か価値を出さないと自分は認めてもらえない
という現実を味わう傾向があります。

特徴としては、
・人に価値を出せなければ、自分のいる意味がない、価値はない
・成果を通して自分の価値を認めてもらいたい
・人からの評価や承認が大事
・できれば有能で価値を出せる人と一緒にやりたい、働きたい
・課題解決が得意、どうしたらいいかをすぐ考える
・休まず動き続けてしまう
・確実に勝てそうな勝負を無意識に選ぶ

などがあります。

このタイプは、いかに人の期待に応えて価値を出せるか、で生きているので、
他人軸で生きているため、自分がなくなって苦しんでしまう、ということが起こり得ます。

 

「愛なし」モデル

愛なしモデルの方は、根幹に、

「私は愛されない」

という信念を持っています。
繰り返される不本意な現実や痛みとしては、

こんなにやっても、やっぱり私は愛されない
自分のありのままでは愛してもらえない
という現実に直面する傾向があります。

特徴としては、
・恒に「寂しさ」があり、つながりを失って、1人になってしまうのが怖い
・人に与えてばかりで疲れてしまう傾向がある
・思うように愛されずに失望したり、搾取されている感じになる
・ありのままの自分では愛されないと思い込んでいる
・本当のことを人と分かち合いたい
・問題があるときはちゃんと話してわかり合いたい
・大切な人とのつながりは自分から一方的に切れない

などがあります。
このタイプの人は、過剰に人に尽くしてしまい、自分の真実を生きられない、という代償を払っています。

「ひとりぼっち」モデル

ひとりぼっちモデルの人が根幹に持っている信念は、

「私は所詮ひとりぼっちだ」

です。
繰り返し体験する現実、痛みは

人が去っていく、離れていく、つながりが絶たれる分離の痛み
しょせん自分はひとりぼっちだ
という強烈な孤独感があります。

特徴としては、
・しょせん人は1人で生きているという孤独感
・人はいなくなるし、去っていくものだという割り切り
・人に過剰に入れ込まない、執着しない
・人の目が気にならない、自分のやりたいようにやっている
・個性的、一匹狼、自由に生きたい
・好きにしたらいい、が口癖
・人はいてくれるだけでいいと思っている
・自然や動物が好き

などがあります。
このタイプの人は、常に自分や人、世界を割り切って考え、決してなくならない孤独感を抱えて生きています。

「欠陥・欠損」モデル

欠陥欠損モデルの根幹にある信念は、

「私には何かが決定的に欠けている」

です。
これをもっていることで繰り返される不本意な現実や痛みは、

こんなにやっても、やっぱり自分はダメだ
自分には決して埋まらない決定的な欠陥がある

というものです。
このモデルの特徴は、
・自分は出来損ないだ、ポンコツだ、という漠然とした自己不信
・「ここにいていいのか?」「私は大丈夫か?」とすぐ不安になって落ち着かない
・不本意な出来事があると自分のせいだと自分を責めてしまう、責められた感じになる
・人と比較して自分の至らなさが気になる
・不安から行動しがちなのでやることが増える
・人の役に立とうとする、じつは隠れていろいろ努力をしている
・安心していられる居場所を求めている

などがあります。
このタイプは、人の中で安心して自分でいられない、心の平安がない、という不安感をずっと拭えずに生きてきています。

分離から統合へ

これまでみてきたように、4つのメンタルモデルには、
無意識のうちに回避しようとする痛みがそれぞれあります。

回避行動には以下の2つがあります。

・「逃避」 逃げる、隠す、諦めるといったネガティブ行動
・「克服」 解決しようとする、努力する、戦う、といったポジティブ行動

面白いのは、一見良い事だと思われている「努力」や「解決しようと頑張る」ことが、
「回避行動」だという点です。

人は成長するにつれて、社会に適合してうまく生きていくために、「どうしたらうまくやっていけるか?」を考え、人間は能力を拡大させていきます。
それは自然な事です。

それが、
やがてどこかの段階で、社会に適合し、「痛み」を感じないために頑張ってきた努力が、もうこれ以上どうにも頑張れないという壁に直面したときに、「こんなにやってきたのに。ああ、やっぱり○○だ」という痛みとともに、
「どうしていつもこうなるんだ?」
「これまでの自分のやり方は間違っていたのか?」
「何か生き方を変える必要があるのかもしれない」
などと、これまでの自分を見つめ直すしかない状況に置かれることがあります。

ここではじめて「克服」も「逃避」と同じく「回避行動のひとつ」だと気付くことができるかもしれません。

本当に必要な事は、
「痛み」を感じないために、「痛み」を分離させていく方向での努力をするのではなく、
「痛み」はあってもいいと、「痛み」を統合させていく方向での取り組みが必要となります。

「私は愛されない」、「私には価値が無い」、「私はひとりぼっちだ」、「私には欠陥がある」、という「痛み」を、「あってもいい」「自分の中にあるよね」、と自分に統合する方向に意識が向き始めると、そこから、本当の自分を取り戻す人生、本当の自分につながって生きる人生がスタートしていく、ということです。
 
 

まとめ

長くなりましたが、ここまでをまとめると、

人にはどうも、「人間の根幹にある無自覚な信念」がありそうだということ、

そのタイプは4つあり、
「私には価値が無い」
「私は愛されない」
「私は所詮ひとりぼっちだ」
「私には何かが決定的に欠けている」
というものに分けられそうだということ。

どれか一つを持っているのではなく、全部の要素がある中で、どれが一番最後に残るか、どれをいちばん色濃く持っているか、ということ。

努力することではもう乗り越えられない、という直面期にさしかかった時、必要な事は、痛みを受け入れ、痛みは感じても良い、あってもいい、と分離に力を注いでいたものを統合していくことが必要。

ということです。
長くなってしまいましたので、本当に大切なメンタルモデルの裏にある、「ライフミッション」については、また別の記事にあらためたいと思います。

メンタルモデルにぜひ興味が湧いた方は、由佐美加子さんの本を一読されてみてください。


いかがでしたか?
みなさんのなかで気になった部分はありましたか?
何か一つでも自分の人生のヒントに持ち帰ってもらえたら嬉しいです。
 

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